岡本 唐貴

1903-1986

岡山県倉敷生。1920年上京、1923年東美彫刻科を中退。1922二科展に入選。24年アクションに参加。三科、造型の創立に参加。1929年日本プロレタリア美術同盟の設立に参加。1946年現実会創立会員。日本美術会創立会員。1962年全ソ美術家同盟の招待で訪ソ。日本アンデパンダン展、平和美術展などに出品。長男は漫画家・白土三平。

<作品メモ>
戦争の激化により1944年信州に疎開した。初めは上田の中塩田に住んだが、やがて「真田村の一角、上田市の山奥」(小県郡長村)に移る。のちの自伝で「大きなくるみの樹の新緑が繋がっていて、その部落を流れる細流の水のまた鮮烈なこと、わたしはすっかり気に入って」「私の写生-作画はいよいよ熱が入って来た」と振り返っている。そして長男である登は12歳であった。山中で暮らした経験が、のち白土三平としての『カムイ伝』を生み出したのではないだろうか。またこの年には、のち絵本作家になる颯子が誕生するが、命名はこの地に由来している。

岡本 唐貴 「真田村風景」 1944年 油彩・板 F4号